何もない日

朝起きて、仕事に行って、遅く帰ってきてご飯食べて寝たら日記に書く事なんて何もない。社会人になるとイベントが少なくなってくるので毎日がそんな繰り返しになりがちだ。9月15日と9月16日の違いなんてその日こなした仕事だけで他の違いは全然ないことだってあるだろう。昼ご飯何食べるかだの選択だって、昨日と食べるものが違っていれば何でもいい、そんな考え方になってしまうことだってある。何を食べるかを選ぶのは自分に与えられた権利なのに。
そんな時、北村薫のターンという小説を思い出す。主人公は、時の狭間に迷い込んで毎日同じ生活の世界に住み、1日の同じ時間に来るとまた最初と同じ時間に戻される。ず〜と永遠に同じことを繰り返す日々。ある時主人公は同じように過ごす時間だって、自分がどのように同じ時間を違うものとして捉えるかで過ごし方が変わってくるかに気づく。気づいた時、自分が迷い込んだ時の狭間から解放される、そんな小説だ。*1
おんなじような話でシシューポスの神話という話がある。シシューポスは神の怒りに触れたため大きな石を山頂まで押し上げないと行けないが、山頂まで運んだ瞬間石は転げ落ち、また山頂まで運ばないと行けない。それが永遠に続くのだ。はっきり言ってそんなの耐えられないと学生時代に読んだ時、ちと思った。
でも今思うと仕事でもサルでもやることって結局同じ事の繰り返し。同じ事の繰り返しだけど、その中に意味を見出すことができれば楽しいし、自分のためにやることができる。結局は自分の意識の問題。きっとシシューポスは、石が転げ落ちた時、「またかよ」と肩を落として下山したのではなく胸を張って「今度こそ俺はやってやるぞ」と思ったはずだ。
こんな感じの曲をバンプが作ってくれないかなぁ。俺に作詞作曲の才能があれば・・・

*1:スキップ、ターン、リセットと時の3部作で小説出てるので興味ある人はどうぞ