ラピュタ・・・

羊蹄山は前々から登ってみたい山だった。道央からだとどこからでも富士山のような姿が見えて気になっていた。KOVOのBlogで洞爺湖からの羊蹄山を見ていてもたってもいられなくなった。近いうちに絶対登ってやると。
ってことで登山道具を民宿に送って戦闘準備OK。機は熟した。今日がその時だ。車で羊蹄山を眺めながら数時間後にこの頂上に立ってると思うと興奮してくる。ちと遅めの9時半に登山開始。万が一の時のために入山届けを出してオヤジに夜になっても連絡なかったらよろしくというメールを送る。ひたすら登る。登る。登る。久しぶりの山だけど10kmマラソンで下半身が強化されてるのかそんなにしんどくなかった。ただいつもと違う筋肉を使っている感覚を感じた。下半身が練られるというかインナーマッスルが鍛えられてるような感覚。登りは4時間かかる計算だったが3時間で登れた。こんなとこにもサル効果が出てるのかもしれない。
雲の上よりも高い頂上に着いてコンビニで買った弁当を食べる。めちゃくちゃうまい。最高の景色を見ながら食べるのは格別。この頂上に登ったという充実感がたまらん・・・

子供のころ雲の上の世界を想像したことがあるけど自分の足で雲を突き抜け天空の世界に来れるようになったんだなぁ。自分で働いた金で遊ぶってのは大人になってよかったと思う瞬間。山に登る度に頂上で凧をあげることにしているという神奈川から来たという人に写真撮ってもらってちとお話。「出張の仕事が片付いたんで山に・・・」と言ったら「こっちはほんとに仕事が片付いちゃってるから山に来てるんだ」って言われた。子供も一人前になったんで気兼ねなく山に登ってるらしい。定年後、山にはまる人は多いと思った。すれ違った人はほとんど元おにいさん、元おねえさんだった。夫婦で登ってる人達を見るとあーゆー年を積み重ね方っていいよなってちと羨ましくなった。
白い壁紙が目にまぶしく感じられるぐらい最近目と心が疲れていたのでひたすら空の青さと新緑で目の保養。多分グラビアアイドルの胸の谷間よりも目の保養になった。巨乳アイドルよりも大自然の方がヒーリング力が強い気がする。高山植物を潰さないように草の上に大の字になって空を見るといつもより空が近かった。手を伸ばせば届きそうな気がした。山小屋跡地(写真)に寝転んでたら啄木の句を思い出した。不来方の小屋の草に寝ころびて空に吸はれし二十七の心って感じかも。*1

山頂の火口にはまだ雪が残っていた。その火口を一周してるとき一瞬登山道からはずれてとんでもないところに迷いこんだ。人生の道を踏み外しているだから登山道まで踏み外したくないよなぁ(笑)ってのは今だから言えることでその時はめっちゃあせった。マジでとんでもないことになるかと思った。(苦笑)山頂は岩山なんだけど目印はペンキがちょっとたらしてあるだけなのでちょっと油断すると道に迷うっす。思ったより早く登れたので下りはのんびり降りてみた。木々の緑があまりにも綺麗なので思わず切り株の上で鳥のさえずりを聞きながら寝たら虫に襲われて起きる羽目になった。どれぐらい襲われたかというとゼルダの伝説でニワトリを斬りすぎたって感じ。
下山して温泉に直行。山登り→温泉のコンボは体験した人にしかわからないけどこれはたまらん。*2ビール飲める人は風呂あがりのビールうまいんだろうな。山登りの疲れが温泉に入るとやっぱり増幅されるんだけど入浴後は心地よいものに変換される。ベッドに横たわると筋肉が弛緩されまくったダルさのせいでそのまま布団に吸い込まれるような感じで深い眠りにつける。山登ったあとの達成感に包まれて見る夢は最高っす・・・

*1:元の句は「不来方のお城の草に寝ころびて空に吸はれし十五の心」

*2:鯉川温泉←結構ボロいです。風情がありすぎるというのとボロすぎるのと紙一重