ハチミツとクローバー 羽海野チカ

絵がきれい。ところどころに散りばめられてるギャグも秀逸。ストーリーもきちんと構成されているためかなり読みやすい。多分ラストまでちゃんとストーリ考えている感じがする。とかレビュー書くこと意識しながら読んでたけど途中から竹本君に感情移入してしまった。読者の性別、年代、恋愛経験、置かれている環境によって誰かしら感情移入できるキャラが見つかるんじゃないかってぐらいそれぞれのキャラが立っている。
「この恋は空の色に似てるね」という宣伝文句とかわいらしい絵でひいてしまって*1読まないとちょっと損。片思いがメインテーマではあるけど、ずーと成就させないことによって「ここはグリーンウッド*2なノリで話が進行していく。ただ学生時代だけで完結させずに大学卒業して社会人になりたての自分と周囲の微妙な変化を、同じお祭りを描きながらあえて前回のお祭りと内容を少しずらすことによって表現しているところが凄い。
このままの状態(学生時代)がもうしばらく続けばいいのになという誰しもが一度は思う気持ちをゆっくりだけど確実に少しづつ流れている時間がそれを許さないという現実の見せ方がめっちゃうまいです、この人。ちょっとした何気ない人の仕草や癖の描写で作者の人間観察力が鋭いことがわかる。でもマニアックなネタが随所に見られるので作者が実は結構なヲタクだったりするのもバレバレかも。
いや、掛け値なしにいい作品です。漫画から入っちゃったから自分の脳内イメージ壊しそうでアニメ見るのがちょっと怖いけど見たいかも・・・

*1:まぁこの年になるとかなりこーゆーのは小恥ずかしいんだけど・・・

*2:男子校の学生寮の生活を描いた少女漫画。これも名作。